秋分
9月23日は、「秋分」。
昼夜の時間の長さがちょうど等しくなる日。
紅葉や楓の葉の先が少しずつ色をまとい、紅くなってゆくことへ、期待に胸を膨らませます。
そんな秋分には、京都府宇治市でつくられた雁ヶ音「ごこう」に、月見草と黒文字の枝を合わせたブレンド茶をつくりました。
華やかで甘い香りから、鼻に抜ける清涼感のある香りまで、上品に重なり合う香味が、秋が深まるこの季節を連想させます。
人々は、この秋分の日を境に、自然のめぐりが「陰」と「陽」の均衡を取り戻すと考えてきました。
茶の木と月見草、どちらも秋に花を咲かせる植物ですが、月見草は日が沈むと淡い黄色の花を咲かせて、夜明けにしぼんでしまいます。
一夜の命にもみてとれる、そんな月見草は、「宵待草」「待宵草」などの呼び名で呼ばれることもありました。
滋養や血流を整えるための薬として、月見草を活用してきた地域もありますが
日本では、古くは観賞用として、俳諧や浮世絵の題材として親しまれました。
昼の太陽と、夜の月。その両方を同じ湯呑の中に浮かべたのが、秋分のブレンド茶です。
これを飲めば、自然の均衡が身体に取り込まれ、秋分の過ごしやすいひとときをより実感することができるでしょう。