立秋
8月7日は、「立秋」。
暦の上では秋の始まり。一年でもっとも暑さが厳しい頃でありながら、立秋を迎えると、「暑中見舞い」は「残暑見舞い」へと変わります。
遠く離れて暮らす人を想い、朝夕の風や光のかすかな移ろいに心を寄せる。蜩の声に耳を澄ませながら筆を執り、季節のうつろいとともに相手の健やかさを願う。そのような細やかな心遣いが、日本の暮らしには今も受け継がれています。
『秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる』
古今和歌集に収められた、平安時代の歌人·藤原敏行の一首です。
「秋は目には見えなくとも、風の音にその訪れを知った」と詠まれたように、昔の人は暑さの中にも宿る小さな変化に心を寄せ、季節の移ろいを感じ取っていました。
そんな立秋の頃に寄り添う一杯として、奈良県産の萎凋煎茶「やまとみどり」に、雁が音、梨、ローズマリーの葉を合わせました。
口に含むと、煎茶の青々とした清々しさが広がり、針葉樹の森を思わせる凛とした香りが立ちのぼります。
萎凋煎茶ならではの林檎を思わせる甘やかな芳香に、瓜を思わせるみずみずしい風味、そしてローズマリーの野趣あふれる清々しい香りが幾重にも重なり、ひと口ごとに表情を変えていきます。
思わず目を閉じ、大きく息を吸い込みたくなるような、夏から秋へと移ろう季節を映したブレンドです。
目にはなお盛夏の景色が広がっていても、風の音や草木の香りに耳を澄ませれば、そこには確かに秋の気配があります。季節の境目に寄り添う一杯とともに、日本ならではの繊細な季節のうつろいをお楽しみください。