寒露
10月8日は、「寒露」。
草木に宿る露が冷たさを増し、夜空にさえざえと月が明るむ季節。
澄んだ大気とともに、いよいよ本格的な秋が深まる頃。
あっという間に空が茜色に染まり、日が沈む、釣瓶落とし。
家路を一散に急いだ幼い頃の記憶と重なり、思い出すのは、ふと胸が締め付けられるような、ほろ苦さ。
この季節に合わせ、秋の記憶を忍ばせた、ブレンド茶をお届けいたします。
香ばしくすっきりとした、釜炒り煎茶「やぶきた」に、よもぎの花とイチョウの葉を合わせました。
稲穂や藁を思わせる豊かな実りの香りと、すずらんのような白い花の甘い香りが湯気の向こうから立ち上り、その後から野草の澄んだ気配が追いかけてきます。
蓬餅を想わせる自然な甘味が口に広がり、
小松菜を思わせる清々しい苦味と野草の野生味によって、あの夕暮れのほろ苦さと切なさが、胸に静かに広がります。後味に残る、セージのようなハーバルな清涼感によって味わいの変化の早さもお愉しみいただける一杯です。
この時期、伊勢神宮をはじめ各地では、その年の初穂を捧げ五穀豊穣を感謝する「神嘗祭(かんなめさい)」が執り行われます。
「神嘗」は「神の饗(あえ)」から転じたともいわれ、「饗」とは心を尽くした食事でもてなすこと。
秋の実りに感謝を捧げ、分かち合う。
大切な節目の一つです。
朝夕の冷え込みが増す時節柄、あたたかいお茶で、どうぞ心穏やかなひと時をお過ごしください。