穀雨

穀雨

4月20日は、「穀雨」。

柔らかい春の雨が百穀を潤す。

この頃の雨は五穀にとって、天の慈雨にもあたる。

穀雨のお茶として、宮崎県五ヶ瀬の三年番茶に、黒文字の枝と葉、ローズレッドを合わせました。青々としたダージリンを想わせる、春らしい香りを愉しんでいただけるブレンド茶です。ハーブのような爽やかさの中に、香木のような落ち着きのある風味を感じられます。

農耕の暮らしでは、穀雨は種まきや田植えがはじまる合図でもあります。

さらには、お茶にとって「新茶」の茶摘みがはじまる大切な期間とも重なります。

「はじまり」の日として大事なこの時期、“自然”や“見えないもの”に対する感謝がさまざまな形で表されてきました。

たとえば出雲では、雨が静かに降る夜は「神さまが通る」と言われ、東北や南九州では田植えの始まりにかけて田の神さまを山から迎え、作業が終われば山へ送り出す風習がありました。

茶摘みでも、ある地域では摘んできた新芽を神棚に供えて、生命の恵みに感謝します。

人と植物、そして神さまが顔を見合わせる特別な時期だと思えば、雨の日の鬱々とした気分も晴れるかも。

雨が降れば、草木の色合いや香りはより深まり、生き生きとしだします。

自然を感じられる良い機会に、お茶をお供にリラックスできる時間に変えましょう。

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