秋分
9月23日は、二十四節気の「秋分」。
昼と夜が等しく交わり、この日を境に、夜の帳(とばり)が少しずつ長くなる頃。
山あいの茶園では夏を越えた葉を刈り納め、やがて巡り来る春を想いながら、土を慈しむ時季。
ふと風に乗って届く金木犀の甘やかな香りに、季節の歩みを感じる頃ではないでしょうか。
猛暑を駆け抜けてきた心と身体には、知らず知らずのうちに疲れが宿っているもの。
お茶のないことを「無茶」と云うように、立ち止まる一杯を持たない日々のなかでは、思いのほか無理を重ねてしまうのかもしれません。
豊かな実りの秋、そして冬の支度を前に、一度歩みを緩め、深く息を整えるひとときを。
そんな秋分の夕暮れに、そっと寄り添うように。
日頃より人気の「No.3 深炒り焙じ茶」をベースに、柿の葉、黒文字の枝、金木犀を重ね、美しく移ろう香りのグラデーションを写し取った特別なブレンドを仕立てました。
立ちのぼる湯気からふわりとほどける金木犀の花香、凛と澄みわたる黒文字の木香。
口に含めば、焼き芋や黒糖を思わせるほっくりとした甘みと、奥底に潜むカカオのような心地よいビターな余韻が静かに広がります。
香ばしく焙じた茶葉が奏でる深い滋味は、秋の味覚や季節の甘味にも優しく調和します。
移ろう季節に耳を澄まし、心静かに器を傾ける。
夏の疲れを穏やかに解きほぐし、めぐる季節とともに心身を整える豊かな時間をお愉しみください。