小暑

小暑

7月7日は「小暑」。

梅雨明けが近づき、しとしととした雨音が遠のくころ、空気の奥に夏の熱気が静かに立ち上がってきます。

「小暑」のブレンドは、日本各地にわずかに残る希少な「後発酵茶」のひとつ、徳島県産の阿波番茶を軸に、熊笹と新潟県産のイチジクの葉を合わせました。
落ち着いたウッディな香りのなかに、イチジクの葉と熊笹のやわらかな甘やかさと香ばしさが、そっと重なり合います。阿波番茶ならではの澄んだ清涼感に、ほのかな渋みと甘みが寄り添い、奥行きのある、大人の味わいに仕上がりました。
夏の気配をまとった青みが全体をやさしく引き締め、ひと口ごとに静かな余韻が広がっていきます。

日差しが強まり、冷茶がいっそう美味しく感じられる季節となりました。
緑茶や焙じ茶、番茶、紅茶まで、どんなお茶も冷茶にすれば、それぞれの個性が涼やかに際立ちます。
江戸の頃より「暑中に煎じたる番茶、胃にやさし」と伝えられてきたように、焙じ茶や番茶はすっきりとした飲み口で、麦茶のように老若男女に親しまれてきました。暑さのなかの一杯は、からだを潤す小さな涼となります。

茶を注ぐ音に耳を澄ませば、季節の気配がふと浮かび上がります。
昼の蝉の声はひときわ高く、夕暮れにはひぐらしの音へと移ろい、夜には鈴虫の涼やかな調べが静かに響きます。遠くの夏祭りのお囃子が、風に乗ってかすかに届くこともあるでしょう。
目を閉じて一服に向き合えば、にぎわいの気配さえ、すっと遠のいていきます。お茶の香りだけが、静かに時間をほどいていきます。

今年も厳しい暑さが予想されます。
どうぞ、美味しい冷茶とともに、夏のひとときをゆるやかにお愉しみください。

一覧に戻る